掃除機496方式(英語名:HAL496 Systems)による英語などの学習方法を提唱するブログです。英文に関して、解説・対訳などの掲載を中心としています。訳し方は、そのときの状況によるので、直訳っぽいのもあったりします。転載及び2次使用可。(C) no rights reserved / aucun droits réservés / keine Rechte vorbehalten / 著作権全面放棄

4.02.2008

Hearts and Hands (対訳)

165A
At Denver many travelers boarded the express train {going east}.
デンヴァーでは多くの旅行者たちが東へ行く急行列車に乗った。
→デンヴァーでは、旅行者たちが大勢、東部行きの急行列車に乗った。

In one car there sat a very pretty young woman {dressed in beautiful clothing}.
1台の車両には、美しい服を着せられたたいへんかわいい若い女性が坐っていた。
→車両のひとつには、綺麗な服を着たたいへん若い美女が坐っていた。

She had the manner of a person with money, and appeared to be an experienced traveler.
彼女はお金のある人の態度を備えており、経験をつんだ旅行者であるようだった。
→彼女は裕福な様子であり、いかにも旅慣れているというふうであった。

Among those {who had just gotten on the train} were two men.
ちょうど列車に乗った人々の中に、ふたりの男性がいた。
→列車に乗ったばかりの人の中に、ふたりの男がいた。

One was young, good looking, well dressed, and seemed to have a strong character.
ひとりは若く、容姿端麗で、身なりがよく、強烈な個性を備えているように見えた。
→ひとりは若く、見栄えがよく、上品に着こしており、強烈な個性を備えているようであった。

The other was a little older, sad-faced, heavily built, and rather poorly dressed.
もうひとりは、すこしばかり年長で、悲しそうな顔つきで、がっちりとした体格をしており、いくぶん貧しい身なりであった。
→もうひとりは、やや年輩で、地味な顔つきで、頑丈な体格をしており、いくぶん貧しいいでたちであった。

The two were handcuffed together.
ふたりはともに手錠でつながれていた。
→ふたりは手錠で結びつけられていた。

166B
As they passed through the train, the only open seat {offered} was the one {facing the pretty young woman}.
彼らが列車の中を通っているとき、唯一の空いていて、提供された座席は、あの綺麗な若い女性に面したもの[=座席]だった。
→車内を通って行ったとき、ふたりに残された席は、例の綺麗な若い女性の向かいの席だけであった。

Here the two men sat down.
そこでふたりの男は坐った。

The young lady looked in their direction for a moment, seeming uninterested.
その若い女性は少しの間、興味なさそうな様子で彼らの方に目をやった。
→若い女性は、つまらなさそうに彼らをちらりと見た。

Then with a lovely smile brightening her face, she held out her small hand.
それから、愛らしい笑顔が彼女の顔を明るくした状態で、彼女は小さい手を差し出した。
→それから、愛らしい笑顔が表情に輝きをあたえ、彼女は小さな手を差し出した。

Her voice, {full and sweet,} made clear [that she expected people to pay attention when she spoke].
彼女の声は、声量が豊かで甘美であり、自分が話すときに人々が注意を払うことを彼女が期待していることを明確にした。
→彼女の声は、豊かで甘く、話すときに自分に注意が向けられることが習慣になっていることがはっきりとわかった。

166C
Well, Mr. Easton, if you will make me speak first, I suppose [o I must].
「ねえ、イーストンさん、もしもあなたがどうしても私に最初に話させようとするのであれば、私はそうしなければならないと思うわ。
→「ねえ、イーストンさん、どうしても私から話しかけなければならないのなら、そうしますわ。

Don’t you remember old friends when you meet them in the West?”
西部で彼ら[=古くからの友人]に会ったときに、古くからの友人をあなたは思い出さないのかしら?」
→西部で昔なじみに出逢っても、思い出さないのかしら?」

166D
The younger men looked up in surprise at the sound of her voice.
若い方の男は彼女の声に驚いて顔を上げた。

At first he seemed uneasy (that someone should know him), but then he took her fingers with his left hand.
最初は、彼はだれかが自分のことを知っているということに不安を抱いているようであったが、しかし、その後、彼は自分の左手で彼女の指をつかんだ。
→最初は、自分のことを知っている者がいることに戸惑っているようであったが、その後、左の手で軽く握手した。

166E
It’s Miss Fairchild,” he said with a smile.
「フェアチャイルドさんですね」と微笑みながら彼は言った。

I’ll ask you to excuse the other hand; it’s, ah, busy at the moment.”
「私はあなたにもう一方の手のことをお許しくださるようにお願いします。それは、えっと、今のところ、取り込んでいましてね」
→「左手で申し訳ありません。右手はふさいでいましてね」

167A
He raised his right hand a little.
彼はちょっと右手を持ち上げた。

She saw [that it was joined by the shining handcuffs to the left hand of the other man].
それ[=右手]がきらきら光る手錠によってもう一方の男性の左手につながっているということを彼女は見てとった。
→きらきら光る手錠でもうひとりの男の左手に右手がつながっているのがわかった。

The glad look in the young lady’s eyes slowly changed to disbelief and fear.
その若い女性の目の中にある喜びの目つきは、ゆっくりと不信と恐怖とに変化した。
→若い女性の目に浮かんでいた喜びのまなざしは、ゆっくりと疑念と不安とに変わっていった。

Her mouth dropped a bit and she was unable to speak.
彼女の口は少し下がり、彼女は話をすることができなかった。
→彼女は、(不安から自然と)少し口が開き、口をきくことができないでいた。

Easton, with a little laugh, was about to say something.
イーストンは、少し笑いながら、まさになにかあることを言おうとしていた。
→イーストンは、少し笑いながら、なにか言おうとした。

Just then, however, the other man made a movement to stop him.
しかしながら、ちょうどそのとき、もう一方の男性が彼を止めるための動きをした。
→けれども、ちょうどそのとき、もうひとりの男が彼を制止した。

The sad-faced one had been watching the girl’s face carefully.
悲しそうな顔つきの男が女性の顔を注意深く見つめていた。
→地味な顔つきの男が女性の顔を念入りに見つめていた。

168A
You’ll excuse me for speaking, Miss, but I see [that you know the marshal here].
「あなたは話すことに対して私を許してくださるでしょうが、しかし、あなたはここにいる連邦執行官を知っていると私は理解しています。
→「口をはさんでもうしわけないがね、お嬢さん、しかし、こちらの連邦執行官とお知り合いかとと存じました。

If you ask the marshal to speak a good word for me when we get to the prison, it might make things easier for me.
私たちが刑務所につくときに、私のためにとりなしのことばを言うようにと連邦執行官に頼んでもらえるなら、それは私にとって状況をいっそうたやすいものにするかもしれません。
→刑務所に着いたら、私のために口添えをしてくださるように連邦執行官に頼んでもらえませんかねえ。そうすれば、私にとって(刑務所でのことがいろいろと)楽になるんでさあ。

He’s taking me to Leavenworth prison.
彼は私をレヴンウォース刑務所に連れて行くところです。
→執行官は私をレヴンウォース刑務所に連れて行く途中なんです。

It’s seven years for counterfeiting.”
紙幣偽造で7年の刑期です」
→贋金つくりで7年の刑期です」

168B
Oh!” said the girl, the color returning to her face.
「あら!」と女性が言ったが、よい血色が彼女の顔に戻った。
→「あら!」と女性が言い、血色のよい顔に戻った。

So that is [what you are doing out here]?
「だから、これこそがあなたがこちらでしていることですか?
→「ということは、こういうことをこちらでしているんですね?

A marshal!”
連邦執行官ですって!」

168C
My dear Miss Fairchild,” said Easton, “I had to do something.
「ねえ、フェアチャイルドさん」とイーストンが言った。「私はなにかしなければならなかったのです。

S Holding on to one’s money V is C something difficult, and you know [o it takes money to keep up with our crowd in Washington].
ある人のお金を(その人が)手放さないでいることはなにか難しいことですし、ご存知のように、ワシントンにいる仲間とつき合いを続けるにはお金がかかるんです。
→お金をつかわないでいることは難しいもので、ご存知のように、ワシントンにいる仲間とつき合い続けるにはお金がかかるんです。

I saw this opening in the West, andwell, S being a marshal V isn’t quite as high a position as that of ambassador, but
私は西部でこれの[=この仕事の]空きを見て、それから――ええ、連邦執行官であることは、大使のそれ[=地位]ほどもあまり高い地位ではないのですが――」
→西部でこの仕事の空きを見つけたのですが――もちろん、連邦執行官というものは、大使と較べて、それほど地位の高いものではありませんが――

168D
The ambassador,” said the girl warmly, “doesn’t call anymore.
「例の大使は」と女性が温かく行った。「もう(仲間のところに)訪れはしません。
→「あの大使なら」と女性が興奮ぎみに言った。「もうお目にかかることはありませんわ。

He never had to, either.
彼は決してそうすべきでもなかったのです。
→あの人はそうする必要もなかったのよ。

You should know that.
あなたはこのことを知っているはずだわ。

And now you are one of those famous Western marshals, and you ride horses and shoot and go into all kinds of danger.
それに、今、あなたはあれらの有名な西部の連邦執行官のひとりだし、馬に乗り、銃を撃って、すべての種類の危険の中に赴くのね。
→それに、今は、あの有名な西部の連邦執行官で、馬にまたがり、銃を撃ち、どんな危険にも飛び込んでいくのね。

That’s different from Washington life.
それはワシントンでの生活とは違っているわね。

You have been missed from the old crowd.”
昔の仲間から、あなたがいなくて寂しいと思われているわ。

169B
The girl’s eyes, {interested,} went back to rest upon the shining handcuffs.
女性の目は、関心を抱いた状態だったが、いつもの状態に戻り、きらきら光る手錠に向けられた。
→女性のまなざしは興味津々であったが、いつもどおりになり、きらきら光る手錠に注がれた。

169C
Don’t you worry about them, Miss,” said the other man.
「それら[=手錠]について心配してはいけなせんよ、お嬢さん」ともう一方の男が言った。
→「そいつのことは、心配いりません、お嬢さん」ともう一方の男が言った。

All marshals handcuff their prisoners to keep them from getting away.
「すべて連邦執行官は彼ら[=囚人]が逃走するのを防ぐために囚人に手錠をかけるのです。
→連邦執行官はみな、逃亡されないように囚人に手錠をかけるのです。

Mr. Easton knows his business.”
イーストンさんは自分の仕事を知っているのです」
→イーストンさんは自分の仕事を心得ているのです」

169D
Will we see you again soon in Washington?” asked the girl.
「私たちはすぐにもう一度ワシントンで会えるでしょうか?」と女性が訊ねた。
→「すぐにまたワシントンで会えるかしら?」と女性が訊ねた。

169E
Not soon, I think,” said Easton.
「すぐには会えないと思います」とイーストンは言った。
→「すぐというわけにはいかないと思います」とイーストンは言った。

My playing days are over, I fear.”
「私の遊ぶための日々は終わってしまったと思います」
→「残念ですが、以前のような自由気ままというわけにはいかないんですよ」

169F
I love the West,” said the girl, looking out the car window.
「西部は大好きですよ」と女性が車両の窓から外を眺めながら言った。
or 「西部は大好きですよ」と女性は言って、車両の窓から外を眺めた。

Her eyes were shining softly.
目がやさしく輝いていた。

She began to speak truly and simply, without the rich Eastern manner: “Mamma and I spent the summer in Denver.
彼女はお金持ちの東部の人の話し方ではなしに、誠実かつ素直に話し始めた。「ママと私はデンヴァーで夏を過ごしたの。
→東部の富裕層の話し方ではなく、誠実で素直に話し始めた。「ママと私はデンヴァーで夏を過ごしたの。
or 彼女は誠実で素直に話し始めたが、東部の富裕層の話し方ではなかった。「ママと私はデンヴァーで夏を過ごしたの。

She went home a week ago because Father was sick.
彼女[=ママ]は1週間前に帰宅したの。父が病気だったから。
→ママは1週間前に帰宅したの。父が病気だったから。
or 父が病気だったから、ママは1週間前に帰宅したの。

I could live and be happy in the West.
私は西部で暮らし、しあわせになれるわ。

I think [o the air here agrees with me].
こちらの空気は私に合っていると思うの。

Money isn’t everything.
お金がすべてではないわ。

But people always misunderstand things and remain stupid….”
でも、(西部の)人はいつでもものごとを誤解するし、それにおばかさんのままだし……」

170B
Say, Mr. Marshal,” said the sad-faced man.
「ねえ、執行官さん」と、地味な顔つきの男が言った。

This isn’t quite fair.
「これはあまり公平ではありません。
→「こりゃあ、あんまり不公平ってもんですぜ。

I need a drink, and haven’t had a smoke all day.
私は酒を必要としているし、しかも、一日中、煙草を喫っていない。
→おれだって一杯やりたいし、一日中、煙草を一服すらしていねえ。

Haven’t you talked long enough?
充分に長く話してはいないのですか?
→もう充分、話したでしょう?

Take me to the smoking car now, won’t you?
おれを今、喫煙車両に連れてってくれるよな?

I’m dying for a little tobacco.”
少しばかりの刻み煙草が欲しくて死にそうだ」
→ちょっくら煙草が欲しくて死にそうだ。
or 少しでいいから煙草が欲しくて死にそうだ。

170C
The joined travelers stood up, Easton with the same slow smile on his face.
(手錠で)つながれた旅人たちは立ち上がったが、イーストンは同じゆっくりとした微笑を顔に浮かべていた。
→手錠でつながれた2人の旅行者は立ち上がったが、イーストンは相変わらず、いくぶんはにかんだ微笑を浮かべていた。

170D
I can’t say no to his desire for tobacco,” he said.
「私は煙草を求める彼の要望に対していいえとは言えません」と彼は言った。
「彼が煙草を要求しているということに対して、だめだとは言えません」と彼は言った。
→彼が煙草を喫いたいと言っているのを拒むわけにはいかないんですよ」と彼は言った。

It’s about the only friend {o he’s got}.
「それ[=煙草が喫いたいということ]は彼が得た唯一の助けとなるものにかかわることです。
→「煙草を喫うのは、彼の唯一の慰めに関わることです。

Goodbye, Miss Fairchild.
さようなら、フェアチャイルドさん。

Duty calls, you know.”
おわかりのように、職務が(私を)呼んでいるのです。
→(おわかりのように)私の仕事なんです。

He held out his hand to say goodbye.
彼はさようならを言うために手を差し出した。
彼は手を差し出して、さようならと言った。
→彼は手を差し出して、別れを告げた。

170E
It’s too bad (o you are not going East),” she said, her voice changing back to its usual manner.
「あなたが東部に行くところでないのはあまりにも残念ですわ」と彼女は言ったが、彼女の声はそのいつもの話し方に戻りつつあった。
→「東部に向かわないのは非常に残念でなりません」と彼女は言ったが、その声はいつもの話し方に戻りかけていた。

But you must go on to Leavenworth, I suppose.”
「でも、あなたはレヴンウォースに行き続けなければならないのだろうと思いますわ」
→「でも、レヴンウォースにこのまま行かなければならないのでしょうね」

170F
Yes,” Easton said, “I must go on to Leavenworth.”
「そうです」とエーストンが行った。「このままレヴンウォースに行かなければならないのです」

170G
The two men moved back through the train toward the smoking car.
2人の男は喫煙車に向かって列車の中を通って移動した。
2人の男は喫煙車へと車両を移動した。

171A
Two other passengers in a seat nearby had heard most of [what was said].
近くの座席にいる2人のほかの乗客が話されたことの大部分を耳にしていた。
→近くの座席に坐っていたほかの乗客2人が、会話の大部分を耳にしていた。

One of them said, “That marshal is a good sort of man.
彼らのうちのひとりが言った。「あの連邦執行官は素晴らしい種類の人間ですね。
→ふたりのうちのひとりが言った。「あの連邦執行官は、好感のもてる人物ですね。

Some of these Western fellows are all right.”
一部のこうした西部のやつらはきちんとしているんだね」
こういう西部のやつらのうちのいく人かはきちんとしているんだね」
→西部の人間にも、きちんとしているのがいるんだね」

171B
Pretty young to be a marshal, isn’t he?” asked the other.
「連邦執行官にしては、ずいぶんと若くはないかい?」ともうひとりが訊ねた。

171C
Young!” answered the first speaker, “whyOh!
「若いだって!」と最初に口をきいたほうが言った。「どうして――あっ!

Didn’t you catch on?
わからなかったのか?
→気がつかなかったのか?

Saydid you ever see an officer handcuff a prisoner to his right hand?”
ほら――自分の右手へ囚人を手錠でつなぐ警官なんて見たことがあるかい?
→ほら――囚人を手錠でつなぐのに、自分の右手に手錠をはめる警官なんて見たことあるかい?(ないだろ。)




岩波文庫の『オー・ヘンリー傑作選』と新潮文庫の『O・ヘンリー短篇集(一)』とは、作品の重複が多い。「手と心」の邦訳が掲載されているのは、新潮文庫の『O・ヘンリー短篇集(三)』である。なお、新潮文庫の大久保康雄の訳文は、ほかの誰かに直訳的に下訳をやらせて、その下訳を自然な日本語に書き換えただけにすぎないものであると感じる。

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自分の写真

和歌山県橋本市出身。世界文化遺産である高野山の麓です。
和歌山県立橋本高等学校を経て、早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業。
B型Rh+。天秤座。家紋は「丸に九枚笹」。
大叔父(おおおじ)は精鋭集団である帝国陸軍航空審査部所属で、「キ61(きろくいち)の神様」と呼ばれた坂井雅夫少尉。キ61は三式戦闘機「飛燕(ひえん)」のことである。

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