Why Symmetry?
なぜ、対称なのであろうか?
虎よ! 虎よ! 輝き燃える、
夜の森の中で、
如何なる不死の手または眼が
汝の恐ろしい均整をつくり得たか。
――ウィリアム=ブレーク――
0.
おそらくはほかの惑星にも生命体は存在するであろう。
ジュンの学校の科学クラブは、ほかの惑星からの生き物がどんなふうに見えるかということについて議論している。
それら[=ほかの惑星の生き物]には腕と脚と顔があるのであろうか?
ジュンはなんらかの調査を行なうことを決心した。
ここに、彼[=ジュン]が見つけ出したものがある。
1.1
宇宙空間には何十億もの銀河系があり、それぞれ(の銀河系)は何十億もの恒星を含んでいるので、宇宙のどこかに生命体が存在するかもしれない。
しかしながら、われわれの太陽系においてでさえ、ほかに生命体が存在するのかどうか(ということを)だれも本当には知りはしない。
われわれは、火星に生命体が存在するのかどうかさえ知りはしない。
もしも生命体という形態がほかの惑星で進化していたのであるならば、それら[=生命体の形態]はわれわれが知っているような生命体と共通したある特定の特徴を備えているのであろうか?
1.2
われわれは、はっきりとは知らないが、しかし、少なくともわれわれはある程度の推測をすることはできる。
地球上で生命体は球対象で始まり、その後、2つの方向へと進んだ:すなわち、円錐対称を備えた植物の世界と、左右対称を備えた動物の世界の2つである。
どんな惑星上の生命体の進化は似たような型[=パターン]をたどると考えるじつにもっともな理由がある。*patternは、本当は「パタン」と発音する。
1.3
海に浮かんでいる原始的な単細胞生物は、当然のことながら、球状の形態を帯びているであろう。
しかし、いったん海底あるいは陸に定住すると、上下の違いが生み出される[=生じる]。
どんな植物でも根がついた端は、上部の先端とは明白に異なっている。
しかしながら、海中や空中では、前後あるいは左右の違いを生じるものはなにもない。
まさにこの理由によって、たいていの場合、植物の形は円錐対称(という形)を備えている。
orたいていの場合、植物の形が円錐対称(という形)を備えているのはまさにこの理由による。
2.1
動物の形についてはどうであろうか?
イソギンチャクについて考えよう。
そえら[=イソギンチャク]はなにかにくっついており、自分自身の力で動き回ることはできない。
それら[=イソギンチャク]は通常、円錐対称を備えている。
クラゲのような動きがのろい動物には同じ対称形[=円錐対称]が備わっている。
これらの動物は海中のあちらこちらへと漂ったり、あるいは底に横たわったりして、食べ物と危険とがすべての方向から等しくそれら[=イソギンチャクとクラゲ]に向かってくる。
しかしながら、種が急速に動き回る能力が備わるとすぐに、動物の前部と後部との違いが発達する。
2.2
海中では、急速に動き回る能力を備えた動物には、餌を探す場合に、たいへん有利である。
魚が、前部の先端に口を備えているのは、後部に備わっているよりも効率がよい。
それら[=魚の眼]が前部の先端に、それも口の近くにある場合、眼はよりいっそう効率がよい。
眼が後部についていれば、魚は自分がどこに進んでいるのかわからないであろう。
要するに、水中を泳ぐことという単純な事実は、進化の過程において、動物の前部の端と後部の端の違いを生じさせるということに帰着したのである。
3.1
同時に、重力という力は、動物の上端と下端との同様の違いを引き起こしていた。
右と左についてはどうであろうか?
左右の違いを重要にするものが海中にはなにもないということに(みなさんは)たやすく気づくであろう。
魚は前部と後部との違いに遭遇する。なぜならば、一方は、それ[=魚]が進む方向であり、他方はそれ[=魚]がやって来る方向であるからである。
魚はまた、上部と下部との違いにも遭遇する。
もしもそれ[=魚]が上に向かって泳ぐならば、それ[=魚]は海の表面[=海面]に到達する。
もしもそれ[=魚]が下に向かって泳ぐならば、それ[=魚]は大洋底[=海底]に到達する。
しかし、もしもそれ[=魚]が左に、あるいは右に方向を変えるならば、それ[=魚]はどのような違いに遭遇するのであろうか?
いかなる違いにも遭遇しない。
もしもそれ[=魚]が左に方向を変えるならば、それ[=魚]は海を、それも、もしもそれ[=魚]が右に方向を変えた場合にそれ[=魚]が見出す海と、まったく同じ海を見出すであろう。
重力(という力)とは違って、ある方向に水平に作用する力はまったく存在しない。
まさにこうした理由で、ある特徴――鰭(ひれ)と目のように――が左側と右側とで等しく発達する傾向にある。
4.1
生命体の形態についてさらにもっと思索することは可能であろうか?
もしもほかの惑星に動物がいるならば、それら[=ほかの惑星の動物]には、地球上の動物と共通するなにかが備わっているのであろうか?
答えは、諾(だく)[=イエス]である。
もしもほかの惑星の未知の海で泳ぐならば、魚は、尾と鰭(ひれ)とを用いて動き回るであろう。
もしも生き物がほかの惑星の空中を飛ぶのであれば、翼を用いて移動するであろう。
陸上では、動物は、脚を用いて動き回るであろう。
これよりももっと簡単な方法が存在するのであろうか?
(みなさんは)車輪を想像するかもしれないが、しかし、車輪が進化するのは困難であろう。
4.2
もしもほかの惑星の生命体が、地球上の人間の知性のように知性を進化させるならば、それ[=ほかの惑星の生命体]は少なくとも、2、3の人間のような特徴を備えているであろう。
目と耳と鼻とが顔のようなものを形成する相当な理由がある。
腕の先端部に指があることには明白がある。
保護するために、脳髄(のうずい)は硬い容器に入っている必要があり、地面から可能なかぎり離れている必要がある。
4.3
外見が奇妙な生き物がほかの惑星の海や陸や空で生活している可能性がある。
しかしながら、それら[=外見の奇妙な生き物]は、われわれがそれらを動物として認識できないくらいに奇妙であるということはなさそうである。
これは単に、それらの身体が左右対称を備えているからにほかならない。
〔了〕
7 件のコメント:
すいません。Why Symmetry?の一文ごとの語順整序って至急出来ませんか?
お願いします
匿名さんへ
先ほど、2008年4月4日(6:20)という設定で投稿しました。URLはつぎのとおり。
http://makoto8128.blogspot.com/2008/04/bright-burning-tyger-tyger-forests-in.html
最初、タイトルをつけずに投稿してしまったので、URLの一部が冒頭のウィリアム=ブレイクWilliam Blakeの詩になっています。
ブレイクに関するどうでもよい記事を、掃除機庵主人日乗というブログにしたためています。時間のあるときに、読んでみてください。
タイトル:「そうね、私、『地獄の門』の前で待ってる」と彼女は言った。
http://shojiki496.blogspot.com/2009/02/blog-post_21.html
ありがとうございます
ぜひ読ませていただきます
いつもお世話になってます。
これからもサイト運営がんばってください!!
匿名(2009/06/24)さんへ
がんばります(時間の許す範囲内で)!
Why Symmetry?の場合、空所補充や段落ごとの語順整序もあるので、希望があればアップしますよ。
いつもお世話になってます
Lesson9ですが、セクション3の指定がないように見えるのですが…
匿名(2010/01/05)さんへ
ご指摘ありがとう。「3.1」をつけ加えました。
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