掃除機496方式(英語名:HAL496 Systems)による英語などの学習方法を提唱するブログです。英文に関して、解説・対訳などの掲載を中心としています。訳し方は、そのときの状況によるので、直訳っぽいのもあったりします。転載及び2次使用可。(C) no rights reserved / aucun droits réservés / keine Rechte vorbehalten / 著作権全面放棄

3.02.2008

The Making of Scientific Revolutions

CROWN I Optional Lesson
The Making of Scientific Revolutions
科学革命を作ること
→科学革命の形成
→科学革命=転回の形成
or→科学革命=転回をもたらす
*のちに登場するコペルニクス的転回Corpernican revolutionの「転回」もrevolutionである。to revolveは「回転する」がもとの意味。なお、本文中、revolutionはすべて「革命=転回」とした。コペルニクス的転回の含みも残しておきた かったからである。
*ところで、科学革命という語には2つの意味がある。
 ひとつは、歴史学者ハーバート=バターフィールド(Herbert Butterfield)が1949年に考案した歴史区分の名称で、英語ではScientific Revolutionとつづる。コペルニクス・ケプラー・ガリレオ・ニュートンらによる科学の大きな変革と、科学哲学上の変化をいう。
 もうひとつは、トーマス=クーン(Thomas Kuhn)という科学史家・科学哲学者がハーバート=バターフィールドの科学革命を拡張した概念である。英語ではscientific revolutionとつづる。主著『科学革命の構造』
The Structure of Scientific Revolutionsによれば、科学の歴史はつねに累積的なものではなく、断続的に革命的変化すなわち「パラダイム=シフト」paradigm shiftsが生じるという。なお、パラダイムとは、ある時代や分野の支配的な考え方を規定している科学的認識体系または方法論のことである。
 ここでは、アルフレート=ヴェーゲナーの大陸移動説も含まれるので、トーマス=クーンの提唱した「科学革命」の意味であろう。
*of: タイトルのThe Making of Scientific Revolutionに使われているofは、しばしば動作名詞(ここではmaking)または動名詞にともなって、目的格関係を示す。なお、making はtheがついているので、動名詞ではなく、普通の名詞。目的格関係を示すとは、ofの前の動作名詞・動名詞を動詞にしたときに目的語となるものがofの 後ろ置かれるということである。このタイトルの場合は、つぎのような手順をふまなくても、大丈夫だろうが、英語を英語で書き換えながら、訳を考える方法の 見本を示そう。
 まずはつぎの例を参照のこと。
the love of nature
自然に対する愛
→to love nature
or→loving nature
自然を愛する(こと)
 同様にして、このタイトルはつぎのように書き換えることができる。
the making of scientific revolution
→to make scientific revolution
or→making scientific revolution
 不定詞は未来的、動名詞は過去的であるとされるので、ここでは、コペルニクスをはじめ、過去の人物の偉業についてなので、タイトルは動名詞を使ったほうに書き換えてみる。
 makeという動詞の訳し方であるが、適切な日本語が浮かばない場合には、”革命を”と引用符でくくって、Googleで調べると、「革命を」と連続したものだけが検索される。そこでつぎの用例が多いということがわかる。
「革命を起こす」
「革命を引き起こす」
「革命をもたらす」
 こうした例を見つけてから、
「科学革命=転回を起こす(こと)」
「科学革命=転回を引き起こす(こと)」
「科学革命=転回をもたらす(こと)」
のうちのどれがよいかを検討する。
 コペルニクスにしろ、ガリレオにしろ、科学革命を主体となって引き起こしたいという意志をもっていたわけではないので、「もたらす」あたりがよさそうだと考える。
 訳し方のテクニックとして、動詞+名詞を日本語で動詞だけで訳すという方法もある。
 たとえば、make a mistakeは「誤りを犯す」だと硬いと感じたら、「間違える」とする方法である。
 このタイトルの訳から「転回」をはずした場合、「科学革命をもたらす」が残る。make a revolutionという動詞+名詞を日本語の動詞1語に書き換えるとすれば、「…を革命する」となる。すると、「科学を革命する」という訳ができる。 こういう手法も使えると、いろいろと便利である。しかし、このテキストでこれをおこなうのは問題がある。というのも、これではトーマス=クーンの科学革命 やパラダイム=シフトなどの概念をまったく知らないと思われ、一定レベル以上の大学では、低い評価しか得られない可能性がなくもないからである。高校だっ たらべつにいいけど。
 個人的には「それでも大陸は動くのだ」という日本語タイトルにしたいところだが、内容をわかるようにする場合は「ヴェーゲナーの大陸移動説」というのもいいだろう。

科学における努力の目的は、自然に関する真理を学ぶことであって、討論に勝つことではない。
―チェスターR.ロングウェル―

1.1
若き科学者は問題を抱えていた。

大西洋の両側で発見された一部の植物と動物はきわめて類似しているのである。
→大西洋の両側で発見された動植物のなかには、酷似しているものがあるのである。

メソサウルスと呼ばれるきわめて古い爬虫類の化石が、南アメリカとアフリカの両方で発見されている。
*Mesosaurus: メソサウルス

しかし、その間には大洋が存在する。
→しかし、両者の間には大西洋がある。
*in between: (ふたつのものの)間に;中間に;邪魔になって

いかにして、両方の大陸で同時に同一の爬虫類が存在することが可能であろうか?

1.2
3つの可能な説明がある。
→可能性のある説明が3つある。

第1に、それら[=爬虫類]は泳いで大洋を横切った。
→第1に、爬虫類は泳いで大西洋を横断した。
*First: 最初に:初めに;第1に▼イングランド人やオーストラリア人はFirstlyを使う傾向がある。アメリカ英語では、形容詞を副詞で使う傾向があり、これも その一例。たとえば、アップル社AppleのキャンペーンでThink Different(人と違うことを考えろよ)というのがあった。このDifferentは副詞の意味で使われている。イギリス英語ならThink Differentlyとなるところだ。アメリカ英語では形容詞を副詞として使う傾向があるのは、ドイツ系移民のせいらしい。ドイツでは形容詞と副詞が同 じ語形なんだそうである。なお、アップル社がThink Differentというキャンペーンをおこなったのは、IBMの社訓がThink(考えろ)を踏まえてのものだそうだ。

これはほとんど不可能に近い。

第2に、それら[=爬虫類]は独自に進化した。

これもまた、ほとんど不可能に近い。

第3に、大西洋を横切る陸橋がかつて存在していた;これは当時一般的に認められた科学理論であった。
*accepted ...: 一般に認められた;れっきとした▼形容詞の限定用法。「受け入れられていた」としてもよいと思う。

しかしながら、そのようないかなる陸橋(の存在)の証拠[=痕跡]はまったくない。
*any: いかなる;少しも;どのような
such ...: そのような
there is no evidence of any such land bridge: そのようないかなる陸橋の証拠はまったく存在しない
cf. any such person: 誰かそんな人;誰かそういう人
cf. any such thing: 何かそんなもの
▼慶應義塾大学理工学部2007年度の長文の中につぎの問題があった。
[ A ] (1. as 2. many 3. so 4. such 5. with) practical innovations, it was American ingenuity that stood in the forefront.
問題:[ A ]の( )内にある語を正しい順序に並び替え、その2番目と4番目にくる語の数字を選んで、マークシートの解答欄[ (9) ]と[ (10) ]にマークしなさい。ただし、文頭にくるべき語も小文字になっています。
▼中途半端な知識での解き方。ただし、as with ...という熟語は知っているとする。いや、知っていなかったとしても解けるかな。ぼくは、知っていましたが。
 soとsuchは、親戚のような語である。だから連続して並ぶとは考えにくい。soは形容詞や副詞を修飾することが多い。一方、suchの後ろには名詞が置かれることが多い。もちろん、suchだけで代名詞になることもあるけど。
 ここから、soは修飾するのは、manyか、[ A ] の直後のpractical innovationsのpracticalのどちらかであろう。practicalを修飾するとすると、suchの行き場がなくなる。
 so manyという塊ができそうである。
 ここで、このテキストのany such land bridgeを思い出せば、practical innovationsの前にsuchが置かれそうである。
 また、anyとsomeとmanyは同じ位置に置かれることが多い。any such land bridgeのland bridgeは単数形で、practical innovationsのinnovationsは複数形なので、any such land bridgeのanyのところにmanyを置いても大丈夫だと考えると、
   so many such practical innovations
という塊ができる。
 残るは、as withかwith asをso many such practical innovationsの前に置くことになる。withは前置詞にしかならないが、asは前置詞・接続詞になれる。このあとは、理解できない人は理解でき ないかもしれないが、前置詞を2つ並べるのは、2重前置詞と呼ばれるものに限られるから、迷ったときには、接続詞にもなれるものを前に置いたほうがよいだ ろう。すると、
   As with so many such practical innovations, ...
というものができあがる。
 as with ...という表現を知っていれば、あとはany such land bridgeを憶えているだけで、簡単に正解にいたることができる。
 asとwithの並べ方について、迷ったら、接続詞にもなるものを前に置くとよいと書いたが、じつは、as with ...は、as is often the case with ...が省略されたものだという説明があるから。
as is often the case with ...: …にはよくあることだが
as with ...: …のように;…同様に

1.3
事実、その若き科学者は陸橋理論について疑念を抱いていた。
→事実、その若き科学者は陸橋説について不確かだと考えていた。
*「陸橋説」という語が一般的であるようだ。

世界地図を見て、彼はなにか奇妙なことに気がついた。
→世界地図を見ているうちに、彼は奇妙なことに気づいた。

アフリカの西海岸と南アメリカの東海岸は組み合うように見え、ほとんどジグソーパズルのピースのようであった。
→アフリカの西海岸と南アメリカの東海岸は整合するように見え、まるでジグソーパズルのピースのようであった。
*to fit together: 組み合わせる;整合する

彼はこの事実に気づいた最初の人物ではなかったが、しかし、彼はそれに基づいた理論を提唱した最初の人物であった。

もし、2つの大陸が、何百万年も前に、ひとつに結びつけられていたとしたならば、どうであろうか?
*What if ...?: もし…だったらどうなるか?;もしも…としたらどうなるであろうか?

このことは、かの不可解な化石を説明するであろう。

2.1
その科学者の名は、アルフレート=ヴェーゲナーである。
*ドイツ語読みでは「アルフレート=ヴェーゲナー」で、英語読みだと「アルフレッド=ウェゲナー」である。

彼は1880年にドイツで生まれ、大学では科学を研究し、気象学者としての経歴を開始した。

1911年、彼はアフリカと南アメリカの両方で発見された同一の植物と動物とについての論文を読み、新しい理論を考え出すことを開始した。

1915年、彼は『大陸と海洋の起源』という1冊の書物を刊行し、
およそ3億年前に大陸は、パンゲアと呼ばれるたった1つの塊を形成していたが、しばらくして、だんだんと離れてゆき始めたと述べた。

追記:about 300 million years agoを、300×100万=30000万だから、数字の単位がひとつ上がると思いながら、なぜか「億」ではなく「万」に戻って「およそ3万年前に」としていました。すみません。

ヴェーゲナーはつぎのように書いた。「それはまるで端をぴったりと合わせ、それから、印刷の線が
向こう側まで滑らかに通るかどうかを確かめながら、新聞の引き裂かれた紙片を修復することに似ている」
*across: 向こう側に;渡って;越えて;横切って;横断して▼acrossを訳すのを忘れていました。

もしもそれら[=印刷の線]が滑らかに通るのであれば、その紙片は実際にこのようなやり方で結合されていたのは正しいにちがいない。

大陸は分裂し始め、世界の海洋で、いくぶん氷山のように、さまざまな方向へ移動したと彼は信じた[=考えた]。

3.1
ヴェーゲナーの理論が登場したとき、多くの批判があった。
→ヴェーゲナーの説が登場した当時、批判が多くあった。
→ヴェーゲナーが大陸移動説を発表した当時、批判が多かった。

あるアメリカ人科学者はつぎのように言った。「私たちがこの仮説を信じるならば、過去70年間に私たちが学んだことすべてを忘れ、初めからやり直さなければならないということになる」

フランス人の科学者はこう言った。「ヴェーゲナーの理論は、私にとって、すばらしい夢、それも偉大な詩人の夢である」

なかには、ヴェーゲナーを「ほら吹き」と呼びさえした者もいた。

→ヴェーゲナーを「ほら吹き」と呼ぶ者さえいた。
*tall: 大げさな
a teller of tall tales: 大げさな話を言う人→ほら吹き

ほかの科学者たちは、彼とその新しい理論をまったく無視した。
*simply: 単に;ただ;まったく;実に▼ここでは「強調」しているととらえたほうがよいと思われるので「まったく」と訳した。

3.2
実際のところ、ヴェーゲナーの理論には、多くの問題点があった。
→それどころか、ヴェーゲナーの説には問題点が多くあった。
*actually: 【1】実際に;実際のところは;本当のところは【類】in fact; really【2】それどころか…そのものだ;…で通っている;いざ…してみると;…のほうがかえって◆このように意訳できる場合もある【3】(文修飾) ところで▼改訂前のCROWN I Lesson 1 Different Languages, Different Worlds(さまざまな言語、さまざまな世界)では、「【3】(文修飾)ところで」の意味で文頭にActually,を使っていたので、同じものかと思 いきや、そうではなかった。

アフリカと南アメリカがかつてひとつの陸塊[=超大陸]であった有力な証拠があったが、しかし、ヴェーゲナーはそれら[=アフリカと南アメリカ]がどのようにして、また、なぜ、だんだんと離れて行ったのかを説明することができなかった。
*land mass: 陸塊;超大陸 = landmass, supercontinent
to drift apart: だんだん離れていく
was not able to ...: …できなかった▼was[were] (not) able to ...とcould (not)には使い分けがある。was[were] (not) able to ...は「機会opportunity」を、could (not)は「能力ability」を示すという基本事項がある。細かいことを述べるとややこしくなるので、簡単な例文だけを挙げておく。
(1) He was not able to swim across the river because it was raining.
雨が降っていたので、彼は川を泳いで渡ることができなかった。
▼彼は、川を泳いで渡る能力があったが、「よい天候」という機会に恵まれなかった結果、泳げなかったので、was not able toを使う。
(2) He could not swim across the river because he was too young.
幼すぎたので、彼はその川を泳いで渡ることができなかった。
▼彼は、天候がどうであれ、その川の水量がどうであれ、その川を泳いで渡る能力がなかったので、could notが用いられる。
▼さて、当該テキストの英文の場合、ヴェーゲナー自身には「説明する能力」が備わっていたが、当時の測定技術や入手可能な資料が充分ではなかったという「機会の損失」により「説明できなかった」のであれば、could notは使えない。
▼[追記2008年2月11日]以上のcould notとwas/were able toの違いについては、Michael Swan,
Practical English Usage (Second edtion), (Oxford University Press, 1997), 122.3を参照した。該当箇所を引用する。
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We use
could for 'general ability' - to say that somebody could do something at any time, whenever he/she wanted. (Was/were able is also possible.)
She could read when she was four. (OR She was able to read ...)
My father could speak ten languagges.
We do not normally use
could to say that somebody mnaged to do something on one occasion. Instead, we use was/were able, managed or succeeded (in ...ing).
How many eggs were you able to get? (NOT ... could you get?)
I managed to find a really nice dress in the sale. (NOT I could find ...)
After six hours' climbing, we succeeded in getting to the top of the mountain.
(NOT ...
we could get to the top ...
▼同様の内容は『総合英語Forest(フォレスト)[4th Edition]』のp.101にも書いてある。ただし、こちらはアメリカ英語よりの解説になっている。その一部を紹介する。
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couldとwas able toの違い  「能力があって、実際にその動作を行なった」という、過去の1回の動作[行為]を表す場合には、was able toを用い、単に「そうする能力があった」ということを表す場合には、couldを用いる。ただし、その動作[行為]が達成できなかった場合には(否定文では)、次のようにどちらも使うことができる。
I couldn't [wasn't able to] find my purse anywhere.
(私のサイフはどこにも見あたらなかった。)

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それにしても、アメリカ英語の解説をしているのに、purseを「ハンドバッグ」ではなく、「サイフ」としているのは、ちょっとお間抜けな気がする。
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イギリス英語・アメリカ英語のいずれの観点からでも下の問題は解ける。
▼慶應義塾大学理工学部2007年度の問題を解いてみたら、つぎのような問題が出題されていた。
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Barbara started to run faster and ( ) up with him a few minutes later.
1. can catch 2. can have caught 3. could catch 4. was able to catch
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正解は4. was able to catch。追いつく能力のない人というのは考えづらいし、場合によっては、相手が立ち止まれば追いつける。機会opportunityに恵まれたと考え れば4.となる(イギリス英語)。また、過去1回の動作[行為]と考えても4.となる(アメリカ英語)。

3.3
1926年、ヴェーゲナーがニューヨークでの国際シンポジウムに招待されたとき、演説をした多くの人々は彼に対して敵対的であったが、しかし、彼は何も言わなかった。

彼はただ坐って、耳を傾けただけだった。

おそらく、彼はコペルニクスとガリレオのことを思い出していたのであろう。

このふたりもまた、嘲笑され、拒否された。なぜなら、地球が太陽の周囲を回っているというふたりの理論は、当時、一般に認められていた考えに逆らうものであったからである。

おそらく、彼[=ヴェーゲナー]はひそかに考えていたであろう、「それでも、大陸は移動する!」と。
*to oneself: 自分だけに;独占して
▼ガリレオが言ったとされる(本当は嘘)「それでも地球は動く!」をもじっている。英語では "Nevertheless, the earth does move!" のようである。イタリア語では "E pur si muove!" らしい。

4.1
アルフレート=ヴェーゲナーは大陸移動という自分の理論に取り組み続けたが、しかし、彼には、同じくらいに、ほかの興味もあった。

彼は探検家であり、北極地方への探検に出かけたことがあった。

1930年、彼は探検隊をグリーンランドへと引き連れた。

1930年11月、50歳の誕生日の直後に、彼はグリーンランドの氷の中で死んだ。

彼の遺体は、翌年の春に氷が融け始めるまで
収容されることはなかった。
or翌年の春に氷が融け始めてやっと、彼の遺体は
収容された
*recoverをdiscoverと勘違いしていました。

4.2
死亡当時[=死に際して]、ヴェーゲナーは、自分の理論がどれほど重要になるかを知りはしなかった。
*at the time of one's death: 死亡当時;死亡時に

まったくヴェーゲナーが考えたやり方で、というわけではなかったけれども、1950年代と1960年代の調査は、大陸が移動するという見解を支持するものであった。

今、プレートテクトニクスという理論は、(大陸移動の)過程を述べ、{
大陸を移動させる}力を説明している。
*Now the theory of plate tectonics describes the process and explains the forces {
that make the continents move}.
plate tectonics: 「プレート理論」とも訳されるが、そうすると、the theory of plate tectonicsは「プレート理論という理論」となり、うざったい。むろんthe theory of plate tectonicsは全体として「プレート理論」「プレートテクトニクス」「プレートテクトニクス理論」としてよい。直訳としては「プレートテクトニクス という理論」である。なお、the theory of plate tectonicsのofは「同格のof」で、「…という~」と訳す。

大きな塊、すなわちプレートが地球の表面を覆っている。
*or: すなわち;言い換えれば▼この意味では、たいてい「..., or ~」とカンマがorの前につく。この教科書にありがちなことだが、同じ単語がべつの意味でつぎの文で登場する。▼
Earth: 地球▼the earthが正しい表記だが、Earthやthe Earthなどの表記もある。

これらのプレートは移動し、海洋底とともに、大陸あるいは大陸の(いくつかの)部分を運ぶ。

プレートを移動させる力は、マグマの中の熱の運動であると考えられている。

個々の大陸が移動するというヴェーゲナーの見解は、新しい理論に取って代わられた。

大陸の動きは、よりいっそう根本的な動きの可視的な部分にすぎないと、それ[=新しい理論]は述べている。
→大陸の動きは、よりいっそう根本的な動きのうちの、目に見える部分にすぎないと、新しい理論は述べている。

それでも、それら[=大陸]は移動する。
→それでも、大陸は移動するのである。

5.1
ヴェーゲナーは、どのように、そして、なぜ、大陸が移動するのかについて誤っていたが、しかし、大陸移動という彼の基本となる発想は受け入れられている[=一般に認められている]。

このことは、われわれがどのように世界を見るのかということ[=われわれの世界の見方]における革命=転回であり、「コペルニクス的転回」に似ている。

500年前、コペルニクスは、太陽と月と星が動いているように見える理由は、地球そのものが動いているからであると記した。

どのように、あるいは、なぜ、地球が動くのかについて、彼は説明できなかったし、ほかの人々、(たとえば)ガリレオやケプラーとニュートンが適切な説明ができるまでに、さらに300年かかった。

それでも、コペルニクスは、かの転回の父として記憶されている。なぜなら、彼の基本となる考えが全過程を開始させたからである。

同様に、それら[=地球科学に関する現行の理論]は彼[=ヴェーゲナー]の詳細にわたる説明の大部分を否定しているけれども、地球科学に関する現行の理論は、大陸が移動するというヴェーゲナーの見解を受け入れている。

5.2
地球の歴史に関するわれわれの考えには、地球科学の革命=転回とようやく呼ばれうる根本からの変化がある。
→地球の歴史に関する知識には、地球科学の革命=転回と呼ぶのだけは差し支えない急進的な変革がある。
*that can only be called a revolution in earth sciencesの先行詞がa radical change。「There is S+場所を示す副詞句」が基本構造だが、ここでは「場所を示す副詞句」はin our ideas about the history of Earthである。
以下のプロセスをたどれば、わかりやすくなるのではないかと思われる。
There has been a radical change (in our ideas about the history of Earth) {that can only be called a revolution in earth sciences}.
「場所を示す副詞句」を後ろに持ってきて、先行詞と関係代名詞節とをくっつける。
= There has been a radical change {that can only be called a revolution in earth eciences} (in our ideas about the history of Earth).
さらに、関係代名詞節の受動態を能動態に書き換える。
= There has been a radical change {that we can only call a revolution in earth sciences} (in our ideas about the history of Earth).
これを、後ろのかたまりずつ訳していくと、つぎのようになる。
---
in our ideas about the history of Earth
地球の歴史に関するわれわれの知識において
that we can only call a revolution in earth sciences
(われわれが)地球科学の革命=転回と呼んで差し支えない
a radical change
急激な変化が
There has been ...
…が存在している
---
以上を並び替えて、細部を整える。
▼can only be calledは、call O C(OをCと呼ぶ)ではなく、call O(Oを呼び出す)の受動態としてはよく使われるようである。なお、ここでのcanは「…してもよい;…しても差し支えない」の意味。
▼また、ここでのonlyは、英文の最初の訳ではとりあえず「ようやく」としたが、細かい意味合いは日本語に訳として移しかえると、日本語としてはちょっと変になる。では、ここで、COBUILDの解説を見てみよう。
---
8
Only is used after 'can' or 'could' to emphasize that it is impossible to do anything except the rather inadequate or limited action that is mentioned.
Onlyは、canやcouldの後で用いられ、言及されたいくぶん不充分な、あるいは限定された行為を除いて、行なうことが不可能であるということを強調する。
For a moment I could say nothing. I could only stand and look....
しばらくの間、私はなにも言えなかった。立って見ているだけだった。
The police can only guess at the scale of the problem.
警察は問題の規模を推測することができるだけである。
---
1つ目の例文から、canの後にonlyが置かれているということは、その前提として、「なにかできないこと」があるはずである。では、いくぶん不充分で 限定された行為として「地球科学の革命=転回と呼ぶことができる」ということに対して、何ができないのかを検討しよう。すると、前段落の最後の文の内容か ら、判断できる。
---
同様に、それら[=地球科学に関する現行の理論]は彼[=ヴェーゲナー]の詳細にわたる説明の大部分を否定しているけれども、地球科学に関する現行の理論は、大陸が移動するというヴェーゲナーの見解を受け入れている。
---
以上のことから、大陸移動説に関して、ヴェーゲナーの詳細にわたる説明の大部分は受け入れられないけれども、大陸移動説を提唱したヴェーゲナーを「地球科学の父と呼ぶこと」はできるという含みを、onlyは表している。

アルフレート=ヴェーゲナーは若者のときに、不可解な化石について頭を悩ませ始めた。

今では、彼は、かの革命=転回の父であると見なされている。
→今では、彼は、地球科学における革命=転回の父であると見なされている。

〔了〕

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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