CROWN I Lesson 4
Punana Leo ― A Voice of Hawaii ―
プーナナ=レオ―ハワイの声ー
言語の内側に生命がある;言語の内側に死がある。
―ハワイのことわざ―
カレイ=ケアロハはハワイ出身の語学の補助教員です。
今日、彼女はハワイの歴史と言語について生徒たちに話しています。
1.1
アーロゥハー、みなさん。
1.2
ご存知のとおり、私はハワイの出身です。
もしもみなさんがそこへ[=ハワイ]へ行ったことがあるなら、たぶん、みなさんは、ハワイには多くのさまざまな種類の人間がいるということに気づいたでしょう。
1.3
なかには、私たちの島々[=ハワイ諸島]を「太平洋の坩堝(るつぼ)」と呼ぶ人もいます。
最初の人々は1,000年以上も前にほかのポリネシアの島々からハワイにやって来ました。
→1,000年以上も前に、ポリネシアのほかの島々から、人々が最初にハワイにやって来ました。
私のような彼らの子孫たちは「ハワイ人」と呼ばれていますが、しかし、私たちは少数民族です。
また、(ハワイには)世界のさまざまな地域出身の人々がたくさんいます。たとえば、日本や韓国、中国、フィリピン、ヨーロッパ、アメリカ合衆国のほかの州です。
多くのさまざまな人種や国籍があるけれども、私たちはとてもうまくやっていっているようです。
1.4
多くのさまざまな言語もまた、(ハワイには)あります。
もちろん、英語は私たちの主要な言語ですが、しかし、みなさんはハワイ語もまた公用語であることを知っていましたか?
私はそのことについて少しみなさんに話したいと思います。
2.1
みなさんは、これまでに人々がハワイ語を話すのを耳にしたことがありますか?
みなさんはみんな、アーロゥハーが「こんにちは」を意味することを知っていますが、しかし、それ[=アーロゥハー]はまた、「歓迎します」や「愛しています」をも意味します。
→アーロォハーが「こんにちは」だということをみなさんはみんな、知っていますが、しかし、それ[=アーロゥーハー]はまた、「ようこそ」や「大好きです」でもあります。
みなさんは、ハワイ語での「ありがとう」の言い方を知っていますか?
→みなさんはハワイ語でどう「ありがとう」と言えばよいのか知っていますか?
私たちは「マーハーロゥ」と言います。
2.2
ハワイ語はたいへん音楽的な言語です。
私たちは自分たちの言語にたったの45音節しかありませんし、それに、音がとても柔らかいのです。
→私たちの言語には音節がたったの45しかありませんし、それに、音がとても柔らかいのです。
昔は、私たちには書記体系がなかったので、私たちの歴史や物語は口伝えで親から子どもへと伝えられました。
*書記体系:言語をテキストとして表すために必要な文字と綴りに関する規則
2.3
19世紀にヨーロッパ人とアメリカ人が私たちの島々[=ハワイ諸島]にやって来て、私たちのことば[=ハワイ語]をローマ字で書き表すようにしました。
19世紀末までに、人口の90%以上がハワイ語の読み書きができました。
しかしながら、1896年に英語が公用語であると宣言され、その上、ハワイ語はもはや学校では教えられませんでした。
1902年までに、彼ら[=ヨーロッパ人とアメリカ人]はハワイ語の語学学校をすべて閉鎖してしまいました。
→1902年までに、ハワイ語の語学学校はすべて閉鎖されてしまいました。
ハワイ語は消滅してしまうように思われました。
それから1970年代の初めに、私たちは私たちの生粋のハワイの文化とことばとをよみがえらせる運動を始めました。
3.1
ハワイ語をよみがえらせる運動の一部として、プーナナ=レオと呼ばれる保育園が、1984年に設立されました。
プーナナということばは「巣」を意味し、レオは「声」あるいは「言語」を意味します。
→プーナナは「声」のことであり、レオは「声」あるいは「ことば」のことです。
この学校[=保育園]は2歳から5歳までの子どもたちのためのものです。
ちょうど巣の中の幼い鳥が母親から習うように、子どもたちは一日中、ハワイ語を使うことを教えられます。
→ちょうど巣にいる雛鳥が母鳥から習うように、子どもたちは一日中ハワイ語の使い方を教えられます。
私もまた、プーナナ=レオに通いました。それから、公立の学校に入学する頃に、カイアプニに通いました。
そこでは、すべての教科はハワイ語で教わります。
私は5年生のときに第2外国語として英語を勉強し始めました。だから、今、私はハワイ語と英語の両方を話すことができます。
3.2
ハワイ語を話すことのできる若者の数は急速に増えていますし、それに、ますます多くの家族が家庭でハワイ語を話しています。
1世代ほど前ではないときに[=たかだか30年前には]、そのようなことが可能になるだろうとはだれも考えませんでした。
4.1
どうしてハワイ人はそれほどまでに自分たち独自の言語を維持したいと思うのだろうかとみなさんは思うかもしれません。
私が思うに、答えは、言語というものは情報を交換する単なる手段以上のものだからです。
私たちは、自分たちの言語という窓を通して自分たちを取り巻く世界を見るのです。
それ[=自分たちの言語]は、自分たちの民族の歴史と文化を私たちが分かり合えるようにしてくれ、だからそれ[=自分たちの言語]は私たちが自分たちのアイデンティティを見つけるのに役に立ちます。
もしも自分たちの言語を失うと、私たちは自分自身のなにかを失います。
4.2
ここ日本で、英語が日本語にとってかわっているのを想像してみてください。
みなさんの文化とアイデンティティに何が起こるでしょうか?
→文化とアイデンティティはどうなるでしょうか?
英語は世界の多くの地域で意思を伝え合うには便利ですが、しかし、みなさんの母語はアイデンティティの重要な部分です。
日本にもまた、ちょうどハワイと同じように少数民族の言語があります。
アイヌ民族は自分たちの言語と文化の大部分を失っています。
今日、彼ら[=アイヌ民族]は自分たちの伝統を復活させようと努力しています。
4.3
この授業では、私たちはもちろん英語を学ぶ予定ですが、しかし、みなさんの母語は世界でいちばん大切な言語であるということを私はみなさんに忘れないでもらいたいと思っています。
聞いてくれてありがとう。
→ご清聴、感謝します。
〔了〕
掃除機496方式(英語名:HAL496 Systems)による英語などの学習方法を提唱するブログです。英文に関して、解説・対訳などの掲載を中心としています。訳し方は、そのときの状況によるので、直訳っぽいのもあったりします。転載及び2次使用可。(C) no rights reserved / aucun droits réservés / keine Rechte vorbehalten / 著作権全面放棄
3.09.2008
Punana Leo ― A Voice of Hawaii ―
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- 掃除機庵主人
- 和歌山県, Japan
- 早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。
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